ここでは、高等学校における1人1台端末環境での授業実践事例を、活用場面や学習のねらい、ICT活用のメリット、実践での工夫などの項目に分け、写真や動画とともに紹介します。1人1台端末環境において有効にICT機器を活用するための参考としてください。
「高等学校における1人1台端末環境でのICT活用事例」は、児童・生徒1人1台環境において、ICTを有効に活用した授業づくりに役立てていただくと同時に、研修などで活用していただくことを想定して作成しました。ICTを積極的に活用することは大切ですが、学習のねらいを達成するためには、何のために活用するのか、どのように活用するのかについて考えながらICTを活用することが求められます。
各事例では、ICTをどの場面で活用するべきなのか、活用によってどんなメリットがあるのか、また活用の上でどのような点に留意すれば良いのかについて、写真や動画とともに紹介しています。そこには、「もっと気軽にICTを使ってみましょう」という思いとともに、「ICTが備え持つ効果や特性を活かして、こんな授業をしてみませんか」という思いを込めています。
本活用事例に紹介している授業実践が先生方の授業づくりの参考となり、ICTを活用した1人1台端末環境時代の授業へと、日々の授業改善につながる一助となることを願っています。
各実践事例におけるICTの活用場面を、A一斉学習、B個別学習、C協働学習に分け、うちBの個別学習を5つ、Cの協働学習を4つの場面に分類して紹介しています。この分類は、文部科学省「教育の情報化の手引(追補版)」第4章に示されているものです。
A 一斉学習 |
A1:教師による教材の提示 スクリーンや生徒の端末に、画像、動画などを拡大したり書き込んだりしながら提示する活用法が考えられます。 |
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B個別学習 | B1:個に応じた学習 個々の特性や習熟の程度に応じたデジタル教材を用いることで、各自のペースで理解しながら学習を進めたり、自身の活動の様子を記録・再生して自己評価に基づく練習を行ったりすることが考えられます。 |
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B2:調査活動 インターネットで情報収集したり、観察で写真や 動画等に記録したりする活用法が考えられます。 |
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B3:思考を深める学習 シミュレーションを行って考えを深めたり、試行を繰り返すことで理解を深めたりする活用法が考えられます。 |
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B4:表現・制作 動画等の作品を制作したり、個別に制作した作品等を共有したりして意見交流を行うなどの活用法が考えられます。 |
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B5:家庭学習 端末を家庭に持ち帰って予習・復習に使ったり、オンラインで意見交流に参加したりするなどの活用が考えられます。 |
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C協働学習 | C1:発表や話合い 自分の考えを、スクリーンや端末に提示して、発表や話合いを行ったり、端末を使って共有した動画やデータを見直しながら話し合ったりするなどの活用が考えられます。 |
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C2:協働での意見整理 協働で発表資料やレポートを作成するとき、クラウドサービスを活用するなどして、互いの進捗状況を把握しながら作業するなどの活用が考えられます。 |
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C3:協働制作 写真・動画等を用いた資料・作品を、協働で作業しながら制作するときに、クラウドサービスを活用して、同時並行で作業するなどの活用法が考えられます。 |
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C4:学校の壁を越えた学習 インターネットと使って遠隔地や海外の学校、学校外の専門家等との意見交換や情報発信などを行ったり、会議ソフト使って学校外の専門家と交流したりするなどの活用法が考えられます。 |